三毛猫ファンの駄文日記2

ドリコムさんから移転してきました。今後ともよろしくお願いします。

雑感

 話題になってる例の強姦事件のマンガ、導入部分で、「強姦事件を起こして警察に呼び出されてしまった・・・」から始まるので、とにかく主人公は実際に強姦をしている前提なんですよね(「目撃者がいるんですよ」という強姦てのもとんでもないのですが)。

 何とか示談が成立して不起訴になって、被疑者の「今回のことは誰にもばれてないようだ」「今晩は久々に1杯やるか」もすごいのですが、世間があまり指摘していないところ、担当弁護士の「次からは気をつけて下さいね」のインパクトがすごすぎますよね。

 これって一コマ目が「酔った勢いで意気投合した見ず知らずの女性とホテルに行ってしまったが、後から女性が合意がなかったと被害届を出した」などであればそれなりに印象が変わる気もするのですが、「次からは気をつけて下さい」で済まされる(と弁護士が思っている)強姦事件があるのでしょうか。少なくとも主人公は妻子がいる前提ですからね。何事も安易にマンガになんかするものじゃないですね。

追記:これってあらゆる刑事事件について、セリフの事件内容の部分だけ書き換えて、絵を使い回してるんですね。そのまま使っていいのは交通事故とかの過失犯だけだよね。

このミス結果

 ベスト10は的中が7作ですか、いつもと代わり映えなく。挙げた10作が15位以内には全部入っていたので、比較的優秀な読み手だったのではないかと思います。19点以上の作品が51作ある中、既読が46作品というのは、しっかり時代にはついていけてるかな、と。「その罪のゆくえ」「見張る男」「デュ・モーリア傑作集」「スウェーデンの騎士」「神の水」が未読。

 「弁護士の血」と「彼女のいない飛行機」は全くのノーマーク。どっちも、一気読みできるエンターテインメントとしては好みなのですが、前者はさすがにノリが軽すぎるかと、後者は集英社にもっと傑作があったという印象(「悪意の波紋」「ゲルマニア」「ネメシス」)から、考慮に入れつつ外した作品なので仕方ない。

 クックとルヘインとルカレを外してよいのか、とか書いていたら、全部ベスト20に入るとは。過去に大傑作をものしている作家の佳作は判断に困ります。ゴダードやハンターが復調したらそれなりに点が入るあたり、みんなこのあたりの作家が好きなんだよね、今でも。

 さすがに「このミス」だと思ったのは、28位から30位の並び。「七人目の陪審員」「リモート・コントロール」「Zの喜劇」。ベスト20には絶対に入らないマイナー出版社の発掘作品をこの順位で拾えるのは、ろくに読んでない人間が大半の文春ベストには決してできない芸当。「リモート・コントロール」は本格ミステリベストの方が拾いましたが、フレンチミステリの香り高い「七人目の陪審員」と「Zの喜劇」が拾われるとは思わず、とても嬉しいです。

 その他。「ガール・オン・ザ・トレイン」も軽めな印象でしたので、ランクインは意外でした。軽い作品で入るとしたら、「さよなら、シリアルキラー」か「模倣犯」あたりと読んでいましたので、うーん。「出口のない農場」「ゲルマニア」「国王陛下の新人スパイ」がことごとく低調だったのはびっくり。

 巻末リストで調べたところ、海外の新作は100作くらい読んでますね。0点作品の中だと「ノア・P・シングルトンの告白」がベストかな。自分が投票するとしたら、1「声」、2「もう過去はいらない」、3「悪意の波紋」、4「Zの喜劇」、5「国王陛下の新人スパイ」、6「パールストリートのクレイジー女たち」でしょうか。

このミス予想

 対象作品をほぼ読み終わりましたので、ベスト10予想。最後にルメートルとディーヴァーが駆け込みで2枠を埋めてくれましたので、それなりに自信あり。

ベスト10の10作
インドリダソン「声」
ウォルターズ「悪魔の羽根」
ディーヴァー「スキン・コレクター」
ルメートル「悲しみのイレーヌ」
クルーガー「ありふれた祈り」
コメール「悪意の波紋」
カーリイ「髑髏の檻」
フリードマン「もう過去はいらない」
レンデル「街への鍵」
スミス「偽りの楽園」

 こんな感じです。1位予想は「声」。レンデルは追悼票の可能性を加味しています。「偽りの楽園」は「出口のない農場」とどちらか入る気がしていますが、どちらをとるか悩ましい。「髑髏の檻」はカーリイの中では出来が悪い方だと思ったのですが、世評に押されて入れてみました。個人的には、「ゲルマニア」と「ネメシス」もベスト10級だと思います。

11~20位予想
「ネメシス」「ゲルマニア」「出口のない農場」「白の迷路」「禁忌」「薔薇の輪」「エンジェルメイカー」「国王陛下の新人スパイ」「アルファベット・ハウス」「判決破棄」

 こちらは自信なし。20作となるとやっつけです。トレヴェニアンの遺作を入れたいのですが、さすがにミステリでは無いかと自粛。「国王陛下の新人スパイ」はシリーズ全体としてもっと読まれてほしい。「シャイニング」の続編はなかったことにしました。ルヘインとルカレとクックを落としましたが、どうかな。気付いたらノイハウスもクリーブスも「カルニヴィア」もディヴァインも落ちてるなあ。

追記:「薔薇の輪」が完全に頭から抜け落ちていましたので、マクロイと入れ替えました。古典枠です。

小杉健治『法廷の疑惑』

 小杉健治『法廷の疑惑』を読了しました。せっかくレアものを100円で手に入れたのでね。ミステリとしては非常にしっかりしていますし、社会派小説として、少ないページ数に重いテーマをこれでもかと折り込みつつ、エンターテインメント性が失われていないのは見事だと思います。

 基本的に娯楽小説に対して「リアリティがない」との批判は的外れだと思っているのですが、明らかに社会派を意識している作品については、その問題意識が全く誤っているというのは問題ではないかと。とにかく、300頁強の小説でありながら、突っ込みどころが満載です。

 ひとまず、以下の点は目をつぶってよいと思います。
 刑事裁判の証人尋問の中身がめちゃくちゃ。証人尋問は、証人が経験した事実に関して質問をして答えてもらう手続だという根本を、著者が全く理解していないのは明らかで、これが法廷小説の大家とされる人の作品だというのもどうかと思いますが、小説の中身の面白さには影響がないので。

 さて、本題。ネタバレ未満の前置きとなる事実関係として、この小説の設定は以下の通り。
 運送会社の従業員が業務でトラック運転中、横断歩道でない場所を横断する女性を轢いてしまう。女性は脳にダメージを負い、開頭手術を受け救命されるも、植物状態に。娘はつきっきりで介護をするが、運送会社は既に示談成立を理由に追加の賠償を拒絶。やむなく運転手個人へ請求すると、責任を感じた運転手の両親は土地を売るなどして賠償するが、被害者はなお困窮。実刑判決後に出所した運転手は、巨額の賠償が残ったことに絶望して強盗を働く・・・
 というのが大まかな導入部。植物状態になるリスクが高い患者に手術を施すべきか、安楽死の可否等々の医療面の問題意識も絡むのですが、法的部分の疑問点が尋常じゃなく多い。

・会社との間では植物状態が確定する前に示談が成立したことになっているが、ずっと意識不明の被害者との間で、いかにして示談が成立したのか。

・植物状態が確定したのは「事故後6ヶ月」との設定だが、症状固定前、治療中にどうして示談が成立したのか。

・後遺障害等級認定手続が完全に吹っ飛んでいる。

・会社の渉外担当が示談を成立させたことになっているが、任意保険への加入がある前提(本文で該当箇所確認)なのに、保険会社の担当者がどこにも出てこない。

・植物人間の問題は自賠責保険でも任意保険でも解決ができない不幸なことだ、と弁護士が嘆く。

 加害者の親が責任を感じ、土地を売ってでも賠償する、というのが百歩譲ってあり得るとしても、著者が感じている問題意識が根本的に誤っていますよね(この程度の事故で初犯で実刑になるかとか、心証をよくするために保釈を求めない弁護方針とか、まだまだ細かい疑問はありますが)。
 昭和60年代の小説なので、法や保険の仕組みが今と大きく違うということもないはず(示談代行制度の導入時期とか、念のため調べました)。判例の引用とか公訴事実の書き方とかは結構うまいので、自分の専門外の事柄に関して、文献は読むけれど他人に聞くという作業をしない人なのでしょうね。
 この小説って、医師が読んだらさらに大量の突っ込みどころがあるのだと思うのですが、ミステリとしてはそれでも面白いです。

新橋古本まつり

 ほぼ100円以下棚に絞っていますが、今回はアマゾンで高騰中の本が異常によく見つかります。

 森真沙子「青い灯の館」(文庫版)、小杉健治「陰の判決」「法廷の疑惑」と、よく水曜まで残っていたものだと。ハルキ文庫版の赤江瀑「ニジンスキーの手」と「オイディプスの刃」とか、20冊以上手が出てしまったのは初めてかも。

麺屋 じねん@木場

 木場の新店。お盆休みに休日仕事をした帰り、何か食べようと新店を探したらこちらくらいしかヒットせず。「麺屋 じねん」さん。家族経営でしょうか。「奥久慈しゃも使用」が売りのようです。

【実食メニュー】らーめん(¥650)

【感想】 大きめの丼にスープがなみなみと。悲しいほどに殺風景なビジュアルは、田舎の食堂のよう。ほんのり生姜の香りもするさらっとした清湯スープは、実にシンプルな鶏ガラ醤油。まさに見た目通り何らの裏切りもない味わいで、何ともコメントしづらいところ。

 麺は三河屋製麺の中細縮れ。相応のコシと弾力で、シンプルなスープには合っています。具はチャーシュー、メンマ、半味玉。いずれも特筆すべきことはなく、彩りだけは再考の余地があるかも。

【総評】 新店でこの味というのは、なかなかの冒険という気がしました。☆☆☆☆☆☆(6.0)

DAIKUMA@北茅ヶ崎

 シルバーウィークの行列店探訪。あれよあれよという間に行列店になってしまい機会を逃していたこちら。「DAIKUMA」さん。15時まで営業ということで、14時過ぎに行ってみます。待ち1名のみと当たり。茅ヶ崎駅北口からひたすら北上、自転車でのアプローチです。

【実食メニュー】煮干そば(¥750)
 評判の限定「贅沢だしそば」は売り切れ。これは仕方ない。

【感想】 「いのうえ」の後にまだ感動できる余地が残っていたとは。昨今の強烈な煮干し味とは趣を異にし、煮干しの美味しいところだけをじっくりと抽出した身体に染みわたる旨みに、醤油ダレとのバランスが絶妙。万人受け+そこからの上積みを感じさせる実力店。

 麺は細ストレート。ハリと歯切れの良さに加えて、しっとり感と滑らかさまで兼ね備え、これは自家製ならでは。ピンクのレアチャーシューも臭みなくジューシーで実によい仕上がり。粗めに切られた紫タマネギの食感もまた良い。

【総評】 これよりさらに評判のよいメニューがあるのだから、とんでもない。☆☆☆☆☆☆☆☆★(8.5)

横濱まなみ@関内

 イセザキモールの新店。分かりやすく言えば、ブックオフがある交差点の同店の対角線側を探すとあります。「横濱まなみ」さん。「鶏SOBA・汁なしMAZE」と店名に冠するとおり、とりあえず適当に流行に乗っておこうという香りがぷんぷんしてきます。店内は居抜きの場末感を隠すためか、全ての椅子に真っ白な布がかけられるという、およそ日本人の感覚にそぐわない怪しさ爆発の内装。

【実食メニュー】鶏SOBAベジ♯26(¥850)
 麺の番手を16/22/26から選ぶという変わった趣向。スープに一番合う麺も選べないような主体性がないお店ということでしょうか。

【感想】 昨今の濃厚鶏白湯ブームに逆行するような、さらっさらの鶏白湯。確かに、20年くらい前は「白湯」というとこういうスープを想像したような。良く言えば濃厚ブームに一石を投じるような、悪く言えば今の時代決して求められてはいないような。

 麺は加水率高めの細ストレート。どう考えても私が知る番手26の麺よりも太いのですが。チャーシューは鶏の照り焼き風。お世辞にもスープとは合わない。レタス、ヤングコーン、ラディッシュ、カボチャと彩り重視の野菜たち。こちらも必然性がないなあ。

【総評】 コレクターの方は是非。なくならないうちに。☆☆☆☆☆☆(6.0)

熱血らーめん in Yokohama@阪東橋

 鹿島田で復活した「熱血らーめん」と鉄谷氏が、間もなく離脱して新たにオープンしたらしきこちら。「熱血らーめん in Yokohama」さん。伊勢佐木モールの先の先、開店当初より短命オーラが思いきり漂っていた「三浦家」の跡地。しかし鹿島田のあの物件、今は「熱血流」の名を残して全く別物な家系もどきのメニューで継続、中の人は「あじ菜」の頃にお店でお見かけしたことがあるような気もするのですが、うーん。

【実食メニュー】熱血中華そば・小(¥680)

【感想】 鹿島田の頃と比較すると、動物系が過度に濃厚にふれることなく、醤油ダレをよりビシッと利かせたような印象。背脂も使用していますがさほどくどくはなく、鹿島田で感じたような和歌山ラーメンっぽい感覚は全く頭をよぎらず、京都のスタイルにさらに近付いた感じ受けます。どちらが美味しいと感じるかは人それぞれか。

 麺はやや加水率が低めな中太ストレート。ほどよく固めの茹で加減で噛み応えがあり、麺の香りも楽しめるもの。チャーシューは肉の旨みを閉じ込め存在感あるものが2枚。それにメンマと海苔、九条ネギはマストアイテム。

【総評】 店主さんが作りたいものは表現できているはず。あとはこの土地で受け入れられるか。☆☆☆☆☆☆☆(7.0)

いのうえ@尻手

 シルバーウィークであれば、多少の行列も耐えられる。確実に営業情報が確認できるお店として、ついに行ってきました、「いのうえ」さん。午後2時近くで10人の行列は想定以上でしたが、本当にラーメンを愛する人だけが来るお店ですので、行列マナーも回転も良く苦になりません。

【実食メニュー】特製らーめん(¥850)

【感想】 鶏メインの(と思われる)動物白湯+濃厚煮干しの流行の味わいですが、こちらは別格。煮干し風味をここまでしっかりとさせつつ、何らのえぐみも臭みもなく、均質で滑らかな白湯との調和もお見事。スープの少なさは「伊藤」級ながら、味わいはそれをはるかに超えるもの。

 麺はざっくりとした中細ストレートで、このスープには鉄板の相性。炙りを加えたチャーシューは肉の旨み、噛み応えと申し分なし。メンマも素材が確かなもの。刻みタマネギもこのスープには不可欠。家系などを食べつけていると、こちらの海苔の素材の良さがよく分かります。

【総評】 いわばジャンルの頂点。☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9.0)

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