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またしても偉大なレスラーが失われることになろうとは……エディ・ゲレロ、享年38歳。あまりに早過ぎるじゃないですか。彼はそのレスラー人生のおよそ1/3を、日本で送りました。世界最高水準と呼ばれた、90年代の新日本ジュニアヘビー戦線の主役の一人でした。

最大の転機は、ブラック・タイガーへの変身。初登場のシーン今でも鮮明に覚えています。当時無敵を誇ったワイルド・ペガサスが、突如呼び込んだパートナーは暗闇の虎。3代目タイガーの金本が早々に素顔に戻ったため、2代目ブラックはキャラクターに縛られることなく、自らジュニア戦線のトップに食い込んでいきます。

ペガサスとはまた違う、ヘビー級並のパワーに加えて、ジュニア特有のルチャのムーブも易々とこなしてみせる天才レスラーの登場で、新日本ジュニアはまた一段と厚みを増しました。垂直落下式ブレーンバスター、フロッグ・スプラッシュ、ブラック・タイガー・ボム。一発一発の攻撃がどれも的確で、十分な説得力を持っていました。ベルトにだけは縁がなかったのは、本当に不思議なところです(96年にベスト・オブ・ザ・スーパージュニア優勝)。

21世紀に入ると、WWEのヘビー級戦線の主役に踊り出ます。ラテン系の陽気な小悪党キャラクターは絶大な人気を博し、日本でも放送されていた「スマックダウン」では、レスリング技術でもパフォーマンスでも、エディとテイカーだけは抜けてました。(ごめんなさい、アメプロの部分は地上波しか観てないのでいい加減です。エディのカッコ良さは別格でしたね。)

クリス・ベノワ(ワイルド・ペガサス)、エディ・ゲレロ、ディーン・マレンコ。のちのアメリカのヘビー級のトップスター達が休憩前に試合をしていた、あの頃の新日本ジュニアがどれだけのレベルだったか、名前を並べただけでも判りますよね。そのメンバーが再び一堂に会する機会は、永遠に失われてしまいました。心よりご冥福をお祈りいたします。