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すいません、とりあえず手抜きのテレビネタで1日つなぎますわ。テレビで映画なんて滅多に観ないのですが、親が観てたのでついつい観てしまいました。

やっぱりね、アホくさい小説をそのまんま映画にしたら、アホくさい映画にしかならないですよね。役所広司とトヨエツの共演で、薬師丸ひろ子に柄本明、鶴見辰吾と、「映画仕様」のキャストで2時間ドラマ止まりの話を撮るんだから、滑稽としか言いようがなくて。

東野圭吾って人は時々こういう作品書きますよね。いかにもテレビで仕入れたような中学受験のイメージを妄想で膨らませて、傍目にはコントにしか見えないような設定で真面目な小説を書こうとするから、出来上がってみたらまるで壮大な冗談みたい。

それを脚本化に際してもほとんど何もいじってないから、なお悪いんですよ。中学受験に向けて3家族が揃って合宿張って塾講師を雇ってみたりだとか、体育実技の試験のために反復横跳びの練習をしたりだとか、吹き出さずに観ろって方が無理ですよ。

そんなわけで、事件の真相がどうこうって以前に、話に全く入っていけないわけで、もうちょっと「ちゃんとした」作品にならないもんかなぁという、原作も映画も似たような印象でした。
以下、02年5月の、原作を読んだときの感想。まだ消えてなかったわ。こういう面倒な長たらしい感想文は、今後は書かないつもりです。

以下引用

「総読書時間、通学の電車中のみ1時間30分強…少々コストパフォーマンスが悪いなあ。何で東野圭吾の世間の評価があそこまで高いのか、今回もやっぱり解らなかった。本格系の作品は読んでないので判らないが、サスペンス系の作品はどれだけ読んでも「発展途上の社会派」の印象。もっと突っ込んで書きたいのか、ミステリを引き立てる道具立てにすぎないのか、中途半端。有名中学受験を目指す4組の家族が塾講師を連れて「勉強合宿」へ。そのさなか、一つの家族の母親が突然現れた夫の愛人と争いになり殺害してしまう。受験を前に身辺の混乱をおそれる4組の夫婦は事件の隠蔽を試みるが…。

 本格系の作品といえるほどに謎解きの要素が濃いわけでもないし、受験問題へ向ける視線も、マスコミでさんざん言われたステレオタイプ的なものの焼き直しにすぎない。要するにごくごく普通のサスペンスなのだが、先日の「焦茶色のパステル」などと較べると明らかに劣る。せっかく4家族もいるのに個性の書き分けが全くなされていない。中編とも呼べる長さを考えると、そこまで要求すべきではないのかも知れないが。帯の文句などを見るとさも謎解き重視の小説であるかに書かれているし、出版社でもどう売るべきか、どんな読者をターゲットにするか悩んだのではないか。宮部や天童荒太の高みにはまだまだ届かないな、という印象。話は単純なので、もう少し腰を据えて背景から始めて宮部みたいにじっくり書き込んでみたら傑作が生まれたかもしれない。キオスク売りノベルス級。」