単に台東区内で食べたことのないお店、というだけで伺ったのですが、「dancyu」の3月号に掲載されてたそうで。家で確認したら確かに載ってました。浅草橋の「幸貴」さんです。ガード下のわずか5席の店舗ながら、清潔感があり禁煙。

“失われし「東京ラーメン」を求めて”という企画の1軒になってまして、その通り正統派の1杯が味わえます。素材の旨みが幾重にも凝縮されたスープは、何かの風味が突出しない優等生。醤油ダレも丸みがありまろやかで油の加減もいいあんばいで、何度でもリピートしたくなる味。

若干の濁りがあり、印象ではまず動物系のコクが非常に良く出ていて、昆布や煮干しなどの魚介系の風味はやや控えめに効いているという感じでしたが、「danchu」によると鶏ガラは使用していないそうです。豚骨醤油という表現は無用な誤解を招くのでやめましょう。

麺はもっちりした中細の縮れ麺で、コシ・スープとの相性とも○。チャーシューはもも肉でやや歯応えはありますが、ほんのりお醤油味で肉の旨みはよく引き出されています。デフォルトで厚めに2枚。ワンタンも余計な味付けをせず、スープの邪魔をしていません。メンマは細切りで濃い甘めの「らしい」味付け。

丁寧なお仕事がされていて、大変好感が持てました。評価はちょっと低めですが、安心感や飽きのこない味というのは数値化ができないのです。☆☆☆☆☆☆☆★(7.5)。