これまでさんざん食べておきながら、今ごろ人生初の池袋ラーメン。土地勘ゼロですし、新宿同様に名店と呼ばれる店が案外少ないですよね。それでも、だいたいの本に載っているお店として、こちらくらいは行っておきたいものです。「創新麺庵 生粋」さん。神保町店で食べるくらいなら、やはり本店で。

午後1時で空席ありと、思ったより空いてますね。いわゆる「青葉の特製」を食券機の筆頭に掲げる狡い商売は嫌いなのですが、面倒くさかったので「上生粋正油」?950を。

335a5e5e.jpg
写真やサイトの評価等から全く想像も出来ない味に出会ったのは、本当に久しぶりという気がします。ラーメンという食べ物の可能性もまだまだだなぁ、と。

思わず笑ってしまいそうになる、本当に「焼き秋刀魚がそのままスープになっている」としか言いようのない味。

缶詰のサンマの蒲焼きの骨の部分を食べたとき、といったような具体的でリアルな秋刀魚感が随所に感じられる。塩焼きを裏ごししてタレに仕込むというのだから納得。

決して万人向けではない、秋刀魚の塩焼きが好きで、それがスープになっていることが許せる人間にしか受け入れられないであろう、唯一無二のラーメン。真似しても仕方ないだろうという個性のかたまり。

麺は大成食品と三河屋の両方の麺箱があったけど、むちむちっとした中細のストレートに近いもので、スープのインパクトからするとあまりに平凡すぎる。資本系の店で多店舗展開するには無難でいいのかな。池袋の有名店ってだいたい他に支店を持ってるよね。

チャーシューは「揚蒸チャーシュー」らしいが、どういう製法なのだろう。厚切りで4枚も入り食べるのが面倒ですが、脂身の少ない部位でありながら柔らかく仕上がって好印象。ワイン煮玉子もいい味。別皿で出される生タマネギは、合わなくもない程度。

☆☆☆☆☆☆☆★(7.5)