世間の評判がいいのに、好みの問題とかで無くどうしても自分にはその良さが分からないというお店があります。取材拒否店ではないはずだけど、「裸の少年」での紹介以外に本や雑誌の類で全く見たことのない、ネット発のお店。「むろや」さん。今年3度目です。

最寄りは新宿御苑前か四谷三丁目。どちらからも徒歩で8分くらいかかるかな。いつも午後6時くらいの訪問ですが、毎回先客ゼロ後客1という状態で、立地がら相当苦戦している様子。落ち着きと清潔感がある店舗なのに、いつも入ると何だかどんよりした雰囲気。

1回目はらーめんでしたが、麺の茹で加減を完全に間違えていてべちゃべちゃでした。他に客など一人もいないのに信じがたい事態でしたが、事故だと思い忘れることにしました。2回目はつけめん、今度は麺は問題なしでしたが、つけダレの魚介のえぐみが強すぎて×。評判通りブレが大きい店かと思い、もう1回保留。

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で、今回は再度「らーめん」+味玉。豚骨ベースの動物系は相当濃厚で、かなりのとろみがあります。タレもしっかりめ。魚介が強いのも、店に入った瞬間の香りとスープ中に見える魚粉の量から分かる。

それなのに、明らかに苦みばかりが目立って魚介のいい香りが立ってこない。1杯毎に温める小鍋方式ではなく茶濁のスープを寸胴から直接注いでいたので、煮詰まってたんじゃなかろうか。昼の部には来れないので確かめようはないけども。

で、麺。中太ストレート低加水。初回よりはいくぶんマシだけど、表面のぬめりとぶよぶよした食感にやはり違和感を覚える。今回見ていて気付いたのだけど、麺の茹で加減を途中でチェックした様子が無く、テポをちょっと揺するだけで湯切りらしい湯切りが全くなされていない。麺がデフォで180グラムもあってテポの中でダマになってるのに、あれで湯切りになるはずがない。作ってるのは常にご主人なのに。

具について。チャーシューと穂先メンマはそれなり。中途半端に熱が入る水菜は要らない。柚子も個人的に好きではないです(最近では柚子を入れていいか確認する店も多い)。1回目のメモにも書いてあったのですが、味玉は驚くほど旨い。夕日のような鮮やかな色に染まったゼリー状の黄身は、味付けもよく絶品。

常に空いている理由が何となく分かったような気がします。本当に立地の問題だけなのだろうか。デリケートな麺なのに作り手が全く気を遣っていないのだから、もう来ても仕方ないでしょう。残念でした。☆☆☆☆☆★(5.5)