やはり看板メニゥが複数の店では石神本に従うべし、なんですかね。筆頭の「かつお香味」が特筆すべきものでもなかったので期待してませんでしたが、「つけ麺(しお味)」、とんでもなく旨いじゃないか。「麺や 多久味」さん。

豚骨ベースのつけダレの表面には鰹粉が浮いており、ひと口目にはまず鰹の香りがふわっと広がります。決して安易な魚粉系つけめんではなく、あくまで穏やかな香り。豚骨の重量感はなく油も控えめ。

タレの方に貝柱の戻し汁と昆布ダシを合わせているとのことで、上品な旨みたっぷりで丸みのある塩味。そこに加わる柑橘系のような爽やかな酸味が秀逸。辛みのないタマネギのシャキシャキ感も相性よし。麺を食べても物足りなさの無いつけダレなのに、スープ割りせずとも最後まで飲み干したくなる絶品。

麺は信頼の大成食品の中太多加水でやや縮れのあるもの。個人的にはつけめんはより硬質な麺が好みなのですが、弾力・コシ・風味、どれをとっても素晴らしい。大盛無料なので、絶対に大盛にすべき。200では物足りない。

チャーシューも豚のうま味溢れるジューシーなもので、塩ダレにもよく合う。これも絶品と言っていいでしょう。8.5以上にしたいのだけど、2点だけ。つけダレが最初からあまりに温すぎる。大ぶりのメンマが臭くて全然ダメ。メンマ抜きでいいくらい。

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「かつお香味」についても一応触れておきます。前回のメモから。ネーミングほどにはカツオ油のインパクトが無いですね。スープが全体に穏やかで重たくない点と、程良く熱々の点は好感が持てますね。

中細の縮れ麺は茹で加減の問題もあったか、ちょっとやらかめで頼りない印象。追加の味玉はゼリー状の黄身の加減・お醤油の味加減ともよかった。このときのチャーシューは印象に残らなかったようだ。

つけ麺(しお味):☆☆☆☆☆☆☆☆(8.0+)
かつお香味:☆☆☆☆☆☆(6.0)