「初代」が赤門の前に現れて3年あまりですか。目の前ということもあってなんだかんだで結構通いましたが、四代目は本駒込。あのころなら平日空きコマに自転車で行ったのでしょうが、日曜午後2時前は7人待ち。先週オープンの「つけめん 四代目けいすけ」さん。

小窓から覗き込むと寸胴が見えるのは巧い演出ですね。ぐつぐつ煮立った中に見えるのは、確かにたくさんのワタリガニ、そしてところどころにモミジ。厨房には、敬介氏の姿もあります。「つけめん 渡り蟹の滴 味玉入り」を。福生の某店みたいなネーミングですな。

私はラーメンに関しては味覚が保守的で、初代も二代目もピンと来なかったのですが(三代目は未食で閉店)、このつけダレは見事ですね。渡り蟹がこれほどいい出汁を持っていたとは。

見ていると魚粉ぽいものも加えていましたが、味はまさに渡り蟹が主役。生臭さは全くなく、とろっとして濃厚ながら油の重量感は抑えられ、さらっといただけます(オープン当初は油ぎっとりだったようなので、調整したのかも)。

麺はカネジンの中太平打ち。ずいぶん切り方が雑に見えたのは、異なる太さの麺を合わせているからで、あくまで仕様。加水率やや低めのみっしりとしたコシのある麺で、つけダレとの相性は○。デフォで300グラムで、少なめにすると具が増えて麺は150だそう。う?ん、200か250がベストなのだけど。

角切りチャーシューと味玉はなかなかいい仕上がり。締めはスープ割りではなく、カレー風味のライスボール。おこげのようなパリパリ感が心地よく、またつけダレが決して重たくないので、つい最後まで食べてしまいます。

特筆すべきは器。底の部分に焼き石を仕込める仕様で、つけダレがなかなか冷めない。このアイデアは秀逸。その他、最近おなじみの「召し上がり方」マンガに、「麺だけ先にいくのもアリだ」などとあったり、細かいところも面白かったです。☆☆☆☆☆☆☆★(7.5+)