普段と多少毛色の違う出張。用事を終えて着いたのは、小金井駅。湘南新宿ラインの行き先として見慣れた名前ですが、小山のひとつ先だったとは。既に午後7時半を回っていて早く帰りたいところでしたが、気になるお店がありましたので、もうひと駅先、自治医大まで。「麺屋 穂華(ほのか)」さん。

自治医大駅から徒歩5分と聞いていましたが、駅前に繁華街などはなく、歩く人などあるはずもない真っ暗な国道4号沿いにしばし歩くと、ようやく見えてきます。徒歩で来たのは私だけでしょうね。いわゆる「パシオ系」のお店で、木の温もりを感じさせる内装にゆったりとした造り。午後8時で1人待ちでした。「トロ豚和だし醤油らあめん」を。

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帰宅してから気付いた、「ラーメンマップ栃木」の表紙を飾る1杯は、素晴らしい完成度。動物系素材のコクと旨みが凝縮されたクセのないスープに、丸みのある醤油ダレがしっかりと利いて、後からやさしい魚介系の香りがふんわりと立ちのぼってきます。

温度がやや下がってくると、魚介の香りがより前面に感じられるようになり、キリッとした印象に。このあたりの加減もまた絶妙。奥行きを感じさせる、いいスープです。

麺は中細のストレートで、啜り心地、喉越しともに良好で、コシもしっかりしています。ほど良く和だしの香りをまとい、スープとの相性も文句なし。

「トロ豚」と付いたチャーシューは、ネーミングから想像するような脂身のくどさがなく、肉の旨みをしっかりと閉じこめた絶品で、まったくスープの邪魔になりません。厚切りのメンマはほんのり甘い控えめな味付け、素材の旨さで食べさせます。

荷物を入れる籐かごが用意されるなど、細かい配慮が行き届き、接客のひと言ひと言にも心がこもっているように感じられます。新幹線を使わず湘南新宿ライン1本での帰宅はグリーンでも疲れましたが、それだけの価値がある1杯でした。☆☆☆☆☆☆☆☆★(8.5)