三毛猫ファンの駄文日記2

ドリコムさんから移転してきました。今後ともよろしくお願いします。

2012年11月

このミス予想

 「ミステリが読みたい」のランキングを見ていたら、ベスト5はかなりいい線行っている気がしてきました。「解錠師」が異例の速さで文庫化ということは、ベスト3フラグか。多少不安があった「鷲たちの盟約」もベスト20を割らない感じ。

 保留にしていた中から、読了にともないウィンズロウ「紳士の黙約」をイン、「シャンタラム」をアウトにします。「夜明けのパトロール」よりミステリとして格段に進歩を遂げ、ケアリーシリーズの頃のウィンズロウを読んでいるよう。「アイ・コレクター」か「暴力の教義」を「都市と都市」に入れ替えたらかなりの的中率だろうな。現在、今年度最終「月に歪む夜」を読んでます。

1位 「占領都市」
2~5位 「バーニング・ワイヤー」「湿地」「解錠師」「無罪」
6~10位 「特捜部Q Pからのメッセージ」「暴行」「天使のゲーム」「真鍮の評決」「ファイアーウォール」
11~20位 「罪悪」「アイアン・ハウス」「深い疵」「デュレンマット傑作選」「アイ・コレクター」「吊るされた女」「暴力の教義」 「尋問請負人」「鷲たちの盟約」「紳士の黙約」

GIANT KILLING@平塚

 神奈川県おなじみ、肯定的なレビューが全くない新店。怖いもの見たさでどんなものか行ってみたくなる私も私なのですが。平塚の南口、「とみ田」という蕎麦屋さんのリニューアル、なのかな。ネットでは「GIANT KILLING」さん、ということになっていますが、店名がどこかに書いてあった記憶がないなあ。のれんなどもなく、お昼ど真ん中で前後客なしも当然か。

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【実食メニュー】 塩ラーメン(¥650)+牛スジ(¥200)
 牛スジラーメンの専門店だそうで、メニューは1択。麺が「カオリ麺」も選べるとかいう情報もありましたが、何処にも書いてない。

【感想】 牛スジだな、と分かる程度には牛スジしているスープ。独特の甘みを感じますが、もう少しシャープな味わいにできるはずなんだよな。タレもぼんやりとした感じで、全体的に輪郭がはっきりしない。トッピングの牛スジから出る旨みが加わると少し締まる感じなので、味の核になるものがないんだよね。牛スジスープは出してるお店が少なすぎて、どうしても六角橋のあそことの比較になってしまうので、仕方ないか。

 麺は中細ストレート。160くらいあるんじゃないかな。明らかに量が多すぎてスープの中で全然泳がず、作り手は何を考えているのだろう。麺が悪いか茹で時間が悪いか、弾力もコシもない。トッピングの牛スジはそれなり。チャーシューとメンマは、スープと麺に比べればまずまず。白髪ネギは辛くてNG。水にさらすか何かしたらどうだろう。

【総評】 商売というより、趣味の店ですよね。ただ、お金を取るのだから、麺の量とか茹で加減とか、明らかにおかしいところは直したらどうだろうか。麺が「石狩」と同じカオリ麺だったら、全く印象が違ったかも。

デジカメ

 長年使ってきたデジカメ(EXILIMのZ700)の調子がおかしくなったので買い換えることにしまして、「5年近く経っていればどれを買おうが、性能が劣ることはないだろう」という安易な気持ちで、操作方法に慣れた同じEXILIMから適当な機種を選んで買ったのですが、「プレミアムオート」という無難な写真が撮れそうなモードで色々撮影してみたら、色の再現度とか対象物の輪郭だとか、ガラケーのカメラにも劣るような写真しか撮れない。

 撮影するものなんて、「ラーメン」「外猫」「出張先の風景」「車の傷」「調書」くらいでほぼ尽きているので、そこそこの接写に対応しててオートモードがあるカメラなら何でもいいはずなのですが、真っ昼間に建物を撮った写真の輪郭がぼやけているとか、ファミレスみたいな明るい店の中で撮った炒飯の米粒が区別できないとか、今までのカメラでは1度もなかった事態が続出。というか、おおむね見た目通りに撮れていると感じる写真が、100枚以上撮って1枚もない。

 4、5年前で3.5万円のカメラの代替品なら、今なら1万円も出せば十分だろう、と思っていたのですが、購入2週間にしてゴミ箱行きです(職場のカメラがもっと古いので寄付します)。口コミ評価も高いZR-300に買い換えます。専門外の分野でも、口コミくらいは見ないといけませんね。

kindle paperwhite 簡易レビュー

 アマゾンさんが頑張ってくれたようで、無事発売日に到着。待望の「kindle paperwhite(PW) 」、早速使ってみました。電子ペーパーは、第2世代のkindle DX、第3世代6インチkindleに続き、3台目となります。

 まず、バックライトの登載とコントラストの向上で、第3世代と比べて屋外での視認性はかなり上がったように感じます。逆に屋内、特に蛍光灯の下だと、独特の「発光感」みたいのがあり、少し違和感を覚えました。まあ、これは慣れるでしょう。

 日本語の電子書籍は初体験、とりあえず無料の「ドグラ・マグラ」「黒死館殺人事件」をストアから落としてみましたが、表示される文字自体が非常に薄く、淡く感じられます。印刷が薄めの文庫本くらいのレベル。バックライトの明るさの調整では解決されず、文字自体の濃さの調整機能は無いのかな。ゴシック体にすればそれなりに読めますが、明朝体だと読みにくいレベル。

 読まないけれど、せっかくなのでコミックも。「ワンピース」と「蟲師」のサンプルを落としてみましたが、台詞の文字もくっきりとして、むしろ実用性は小説より高いかも。根本的な問題として、6インチだと迫力に欠けるし無機質な印象は否めないので、そもそもコミックは紙で読む方が良いようにも思えますが。私などは、文庫サイズの漫画本が初めて発売された頃に「火の鳥」や「ブラックジャック」を読んで、絵が小さくて迫力が無いなあ、と感じた世代なので、この辺は人それぞれか。

 自炊本に関しては、元が文庫サイズであれば優秀な読書ツール。DR-2510Cを使って白黒二値600dpiでスキャンしたPDFを、ChainLPで658×905のサイズにしたら(あとの設定は適当なので、職人さんのレビューに委ねます)、かなり鮮明で上記電子本よりはるかに読みやすい。文字が小さくなるので読みにくさを懸念していたハヤカワ文庫のトールサイズも入れてみましたが、全く問題なし。第3世代から解像度が上がった効果が出ているか。今のところ、早川通常サイズ「鼠と竜のゲーム」、早川トール「電気羊」、河出「ハローサマー、グッドバイ」を表示させてみましたが、いずれも良好。

※ なお、第3世代とDXでは、スキャン後のPDFファイルにacrobatによる余白カットを施しただけで十分読めたのですが、今回はChainLPによる調整をしないと文字がかすれてダメでした。

 物理ボタンがないことに最初は戸惑いましたが、筐体がそのぶん丈夫になったのであれば良いかな。以前の世代は左手で包むように持った状態のまま指の腹で頁がめくれたのですが、今回は親指を伸ばしたり持つ体勢を変えて画面にタッチしなければならないのがちょっと面倒。本体の記憶容量が小さいのも不満。1.35ギガバイトしか使える領域がないので、自炊本の多数持ち歩きは不可能ですね。

 自炊本リーダーとして使えるかどうかだけの観点からすれば、文句なしに買い。翻って文字の電子書籍は、自炊文庫本の方が文字がくっきり読みやすい有様なので、保留とします。コミックについては、そもそも6インチサイズやデジタル画面での閲覧を是とするかどうかでしょう。

古本の雑誌

 さきほど書店で見つけて衝動買いしてしまったのですが、本の雑誌の増刊「古本の雑誌」がめちゃくちゃ楽しい。1600円という価格がややお高めですが、読み応えがあります。

 「日本全国古本屋ガイド座談会」など、あるあるネタの宝庫で、私も神保町は羊頭さんと「@ワンダー」さんを軸に、三省堂のジグソーハウスさんの棚と「たなごころ」さんは定点観測をしてますし、小宮山さんの3階でときどき掘り出し物に当たりますし。高円寺では「アニマル洋子」がお気に入りなのですが、まさか名前が挙がるとは。外棚の均一本では八王子の「佐藤書房」さんが一番楽しいし、「悪魔の古本屋さん」にはいつもお世話になっています(見たこともないような作品を出してくるんだよね)。

 「古書ほうろう」の店主さんが寄稿していたり(学生時代から雰囲気の好きなお店)、「高原書店について語ろう」とか(ありし日の新宿古書センターも、ドリームランド店も良く行きました)、誰得感満載の冊子で最高に面白い。

kindle

 予約開始当日注文で12月発送予定とか酷いことになっていたのが、なぜか本日発送されましたね。第3世代の6インチの端っこを踏んだらあっさり壊れてしまったので、代替機が必要だったんですよね。文庫本の自炊データは6インチで十分だし、後継機が出る保証がないDXを毎日持ち歩くのも嫌だったので、待っていました。特に暗いところでどんな感じに読めるのか、楽しみ。

 kindle自体は、流行らないんじゃないでしょうかね。たとえば本日時点で、「英米の小説」が何と478点しか買えない。読書ツールとして使いたい人は、少なくとも20倍くらいに増えないと、読みたい本がショップに無くてストレスが溜まるだけでしょう。その中の1番人気は「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」になってますが、kindle価格¥619って、ブックオフで100円で買える本の電子版を新刊本に近い価格で買う人がいるのでしょうか。

 新刊は紙媒体と同じ価格帯でよいので、紙でほぼ売り切ったような作品は200円くらいで提供して、逆に紙で絶版になったような作品は文庫の倍の価格くらいでガンガン復刊していったら、結構面白いと思うのだけどね。

 あと6インチでマンガの単行本は読めるんですかね。先日ビックカメラにkoboが展示してあって、サンプルでワンピースか何かのマンガが表示されていたのですが、台詞の文字が自炊に失敗したレベルだったので、心配です。小説よりマンガ読者が圧倒的に多い日本では、7インチのe-inkの方が向いているんじゃないかな。

 「Fire HD」も安かったのでおもちゃとして買いましたが、使い道はあるかなあ。

 さっき部屋を片付けていて、5年くらい放置していた汚い書店の袋を開けてみたら「恐喝 シンガポールウィンク」が出てきて驚きました。こういう本が2000円くらいで読めるようになるのが、理想の電子書籍像なんですけどね。
 

味の大西 茅ヶ崎店@茅ヶ崎

 茅ヶ崎に「味の大西」が進出してきたとのことで、大西の支店探訪には全く関心のない私ですが、何せ近いのでね。茅ヶ崎駅と辻堂駅のちょうど中間くらいでしょうか。運動がてら自転車で。「味の大西 茅ヶ崎店」さん。井細田の「三代目」のご兄弟がオープンしたとの情報でしたが、厨房にいらしたのは年輩のご夫婦。大井店の店主さんだった方でしょうか。

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【実食メニュー】 醤油ワンタン麺(¥850)
 小田原系に来たらチャーシューワンタン麺、とかいうくだらないルールを掲げる動きが大嫌いです。ただ、小田原系のワンタンは概して美味しく、デフォルトでは入っていないから、ワンタン麺。

【感想】 ネットではボロカスに書かれていますが、立派な小田原系だと思いますよ。豚骨臭やラードの厚みは無いかもしれないけれど、らしさを感じる程良い焦げ臭に、ビシッとした醤油ダレ。化調も三代目ほどのどぎつさはなく、全然悪くない。

 麺は本場の室伏製麺ではなく、なぜか地元の麻生製。あのピロピロ感がないのは分かりますが、形状は再現性が高いですし、酷評するほどの違和感ではないと思うなあ。チャーシューは濃いめの味付けで噛みごたえがあり、大ぶりのワンタンは餡の味付けがしっかりして旨い。

【総評】 「小田原系」を賛美している連中は、何故か「鳥取」を酷評してたり、結局インパクトが絶対的な尺度なんでしょうね。このままでも決して悪くないと思いますよ。☆☆☆☆☆☆(6.0)

生碼麺食道(さんまーめんしょくどう)@小川町

 個性的な新店ラッシュで何だか楽しい神保町~淡路町エリア。しかし、サンマー麺の専門店とは、意表をつかれました。「生碼麺食道」さん。口コミからのネット検索に不向きな店名ですね。場所は、あの「あかむぎ」の跡地です。「あかむぎ」も個人的に好きだったのですが、大方の予想通りの短期撤退で、この場所大丈夫かなあ。

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【実食メニュー】 生碼麺(¥680)
 メニューがオール生碼麺ですから、ベーシックなもの。

【感想】 白濁餡が分離しているのが定番のビジュアルですが、こちらは最初から軽く混ざったような感じ。スープもシンプルな鶏ガラベースに鍋振り野菜の焦げ臭が定番ですが、こちらは驚くほどにクリアでキレのある味わい。何か違うぞ。

 丁寧に炒められた野菜はモヤシばかりの本場と違い具だくさん。しっかり火が通りつつ見事なまでの油の切れとシャキシャキ感は秀逸。麺は浅草開化楼の中細縮れ。開化楼らしいコシと歯ごたえがありますが、野菜のシャキシャキ感と相俟って案外しっくりきます。

 卓上には3種類のお酢と特製のサンマー油というオリジナル調味料。少しずつ加えるとコクが増したりさっぱりしたり、味わいが自在に変化し、どの組み合わせでもピタッとはまります。オリジナルのブレンド茶「サンマーリアンティー」も美味しい。

【総評】 サンマー麺かと言われると、違う、としか言いようがないのですが、野菜あんかけ系のラーメンでここまで洗練されたものが作れるとは。若い店主さんが試行錯誤しながら楽しそうに仕事されてましたし、応援したいお店。☆☆☆☆☆☆☆★(7.5) 

このミス予想(ほぼ最終)

 インポケットの結果を見ていたら、投票者の顔ぶれは違うにせよ、結構外したかも。「シャンタラム」はそもそも、誰もミステリとして扱っていないような。「尋問請負人」も案外強くないかも。外した中では、「都市と都市」のランクインは確実か。パトQや「濡れた魚」「破壊者」「火焔の鎖」も可能性ありそう。今から予想を変えるのはフェアでないので、今回はこれまで選んだ20作の順位分け。「紳士の黙約」「月に歪む夜」の2作が未読のため、この2作との入れ替えだけは留保しておきます。

1位 「占領都市」
2~5位 「バーニング・ワイヤー」「湿地」「解錠師」「無罪」
6~10位 「特捜部Q Pからのメッセージ」「暴行」「天使のゲーム」「真鍮の評決」「ファイアーウォール」
11~20位 「罪悪」「アイアン・ハウス」「深い疵」「デュレンマット傑作選」「アイ・コレクター」「吊るされた女」「暴力の教義」 「尋問請負人」「鷲たちの盟約」「シャンタラム」

 上の方だけでも当たらないかな。上位5作はいい線だと思うけど、「都市と都市」が食い込んだらその時点で終わりですね。個人的感想としては「解錠師」と「バーニング・ワイヤー」が抜けているのですが、上位は相当な接戦ではないかと。「天使のゲーム」「真鍮の評決」「ファイアーウォール」はもう少し下のイメージだったのですが、思ったより評価が高そうなのでこの位置。

品尚@伊勢佐木長者町

 ネットを見ていると、神奈川の新店をマメにチェックしている人はほとんど東京には足を運ばないし、東京が拠点の人は神奈川の新店は話題の店のみ、という方が多数派ですね。まあ、神奈川の新店をマメに訪れていると、圧倒的なハズレ率の高さに愕然とするわけですが。そんな神奈川県の新店、「品尚」さん。正式店名はネットでは「品尚拉麺」と「品尚横浜拉麺」が錯綜。日ノ出町駅からイセザキモールに向かう左側。ネットでは細かい情報も出ていますが、香港のお店の2号店だとか。とりあえず中国の方が出したお店のよう。

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【実食メニュー】 煮干しらぁ麺(¥700)
 つけ麺が売りのようですが、こちらの方が食べられる味かな、と。

【感想】 やや濁りのある動物系スープに、魚介系、というか魚粉大量投入で味を調えて食べさせるもの。表面にはラードの薄い膜が張ってやや熱々だったり、色んな煮干しラーメンの要素を適当に取り入れたらそれなりのものに仕上がった、という印象。

 麺は中太のやや縮れたもの。特段のこだわりは感じられないものの、コシ、弾力、香り等目立つ欠点もなく、無難。チャーシューは表面を炙ったものでまずまず。メンマも臭みは強くないし、味玉も業務用チックながら味がないよりはいい。水菜は個人的に嫌い。

【総評】 煮干しラーメンの有名店と比べられるようなものではないですが、思ったより全然悪くない。都内だったら酷評でしょうが、このエリアであれば、という味。☆☆☆☆☆☆(6.0)

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