引退から6年が経って見た目にもレスラーの身体でない雁之助選手が、往時と変わらない動きを見せる。急角度のバックドロップ3発を受けきっただけでも驚愕なのに、そこからが長い長い。雁之助クラッチを返された時点、シャープシューターが完全に決まった時点で驚異的な復帰戦との評価は十分得られるはずなのに、これを返して現役選手そのものの大技の畳み掛け、どこに力が残っていたのか。
個人的に一番驚いたのは、立ち上がり際にラリアートを打ち込もうと構えている相手に、自ら走り込んで逆にラリアートを打ち込んで吹き飛ばすというムーヴ。過去にお目にかかった記憶がないです。最終盤の念仏パワーボムもドラゴンもファイアーサンダーも、いずれも完璧な形で、サイドストーリー一切抜きで、これ1試合だけで金が取れる内容でした。
まだタイムシフトで観られますので、是非。これだけでニコプロ1ヶ月分以上の価値は十分にあります。
追伸: ただし、他の試合がいつにも増して酷いです。GOSAKU選手がとんでもない体型になっていたり、どう見たらいいのか全く分からない加藤悠選手、矢野啓太選手のムーヴ等、後ろ3試合だけ観れば十分かと。もうひとつ、20年以上経って初めて気付いたのですが、「工藤あずさ」って男性としての本名だったんですね。