普段は、開店記念セールの類には決して足を向けないのですが(適正価格を支払わずに食事をするという行為に、どうしても違和感を覚えるのです。)、初日だけと思っていたセールが2日目も継続中、先客わずか1名とあっては、後日出直す理由も無く。大船駅笠間口に9月4日オープンは、「蔵元醤油ラーメン 大字」さん。

「ぎん8」の跡地、何がしたいのか分からぬまま、いつの間にか無くなっていた「いちろく家」の居抜きですね。選択の余地無く、基本の「醤油ラーメン」(580円)を200円で。通常営業は夜のみのよう。「やくみ」を入れるか訊かれましたので、オススメならと入れていただきます。

ooaza

出てきた1杯は、小ぶりな丼に、神奈川のラーメン文化に存在しなかったよもやのブラック系。魚介系は不使用でしょうか、きれいな黄金色の清湯スープに、タレは真っ黒な醤油色。塩辛さは全くなく、タレのコクと甘みが際立ち、印象的。粗みじんに切られた玉ネギのシャキシャキ感がよく合います。

イメージとしては、竹岡式インスパイアのインスパイア、みたいな感じでしょうか。高輪台の「梅乃家」に近いかな(この店がいわゆる「竹岡式」とはまったくの別物であるとは承知していますが、それを抜きにして旨いと思っていますので、否定的意味合いはありません)。

麺は多加水の細縮れ。少し茹で時間が短いように思えましたが、ぷりぷりっとした食感でスープとの相性は良好。麺自体にも甘みが感じられました。家系店以外で長多屋製麺の麺箱を見かけるのは珍しく、前店と何らかの関連があるのでしょうか。

チャーシューはバラで程良い食感。メンマも大ぶりで臭みはなくそれなり。「やくみ」というのは呼称だけ竹岡式インスパイアなのか、正体は生ニンニクと臭みをまったく抜いていない生玉ネギを摺り下ろして合わせた強烈な代物で、臭いが抜けないし腹は下すし。本当に1日何の予定もない方だけ食べればいいでしょうし、普通に勧めてはいけないと思います。

「やくみ」の分だけ評価は下げましたが、立地はよいですし可能性のある味だと思います。なお、丼の大きさとスープの色を見て最初に思い出したのは、「7.5Hz」でした。☆☆☆☆☆☆(6.0)