ジュンク堂さんで偶々目にした、『iPadでつくる「究極の電子書斎」蔵書はすべてデジタル化しなさい!』という本に触発され、書籍の電子化(いわゆる「自炊」)を始めました。

 数年前から、本を保存することに限界を感じており、電子化できたら、と思っていたのです。上記書籍を読んで知ったのは、連続で読み込んでくれるドキュメントスキャナの価格が、信じられないほど安価になっていること。3万円台で購入できることを知り、小説など白黒の書籍のスキャンにはオススメという、キャノンの「DR-2510C」を購入しました。無駄に家電量販店をたくさん回りましたが、圧倒的にamazonが最安でした。3.5万くらい。

 最初はカールのローラーカッターで本を分解していたのですが、100冊単位での処理を目指すなら、裁断機が必須です。ネットの評判から見ても、プラスの断裁機「PK-513L」以外に選択肢は無いと思われます。14キログラムという重量が難点ですが、ぶれずにきれいに切れますし、失敗が皆無なので入手困難な本でも安心してばらせます。

 (PDF)リーダーは、近い将来何かしら出るだろうと期待して特に特定機種を念頭に置いていなかったのですが、電子ペーパー端末という物に触れる機会が全く無かったので、ダメ元で何かしら買って試してみるしかない、と、kindle3を購入しました。円高の影響で送料、税金等諸々込みで1万4000円という安さに、アメリカから4日で手元に届くという衝撃。

 ネット上では、kindleはPDF閲覧に不向きとか色々いわれていますが、紙媒体が文庫本サイズであれば、全く問題なく読めます。文字の大きさは、画面が6インチなので縦横9割くらいの縮小になるイメージ。液晶と違って画面に直接印字されているようにくっきり見えますし、紙よりもかえって目が疲れないような。ページ送りにストレスを感じたことも無し。一度の充電で2週間以上バッテリーが保つので充電器を持ち歩く必要も無いですし。

 海外ミステリ専門で、新刊がかなりの割合で文庫本である私にとっては、読書形態が一変しました。ネットでは最適な表示を目指して色々やっているようですが、スキャナ附属のアクロバットで余白をトリミングして、コントラストはkindle本体の調整機能だけで、快適に読めます。出張に行くのにも300グラムの中に100冊の本が入りますし、 買ったばかりの本をすぐ裁断して電子化という生活。スキャンが10分強、トリミング5分くらいの処理時間でしょうか。

 40日強でkindleだけでも17冊(+紙の本を2冊)読めてますので、出張が少ないことも併せ考えたら、ペースは普段以上かと。紙のにおいやページをめくる行為を含めて読書だ、などという主張をよく見かけますが、そんなのは(少なくとも私にとっては)幻想です。いわゆるジャケット買いというのがありますので、買う時点では紙である必要性は感じますが、読む時点では何ら差がありません。

 ハードカバーの本は、1段組でも字が小さくなりすぎますので、私には6インチでは閲読不可能です。新書サイズも多分つらい。kindleのPDF拡大表示が全く使えないことは、みなさんのおっしゃるとおり。7インチあれば、文庫本なら原寸大表示ができそうなのですが、ソニーのリーダーは5インチと6インチしか発売されず、6インチで2万5000円とは、kindleが日本に本格参入したら、一瞬で駆逐されるような。kindleDXの日本語対応版(kindle3の大画面版)が出れば、あらゆる小説が楽しめるようになるんですけどね。