このミス海外2014予想。あと2ヶ月なのでたたき台を作っておきたいのですが、ここ15年で一番難しいのでは。冊数的には普段の倍近く読んでいるのですが、その作家の最高傑作だとかいう絶対的作品が、ひとつもないのですよ。現時点での私的10作は置いておいて、ひとまず入りそうな所を。


ベスト10有力、まず20位は外さない作品(※は未刊、それ以外は既読)
ディーヴァー「ポーカー・レッスン」
ウィングフィールド「冬のフロスト」
ウォルターズ「遮断地区」
ゴードン「ミステリガール」
マッカーシー「チャイルド・オブ・ゴッド」
デウィット「シスターズ・ブラザーズ」
ルヘイン「夜に生きる」
ヘイダー「喪失」
シーラッハ「コリーニ事件」
※ キング「11/22/63」
※ カーリイ「イン・ザ・ブラッド」

 ここまでは大丈夫だと思います。ヘイダーは以前訳された際には話題にもなりませんでしたが、今回はポケミスだし。キングとカーリイは、過去の連帯率からして、未刊でも入れて良いでしょう。ここまでで11枠。1位は全く分からないですが、消去法で選ぶと、10月の長編がなければディーヴァーかも。


ベスト20の候補作
インドリダソン「緑衣の女」
ノイハウス「白雪姫には死んでもらう」
ペリー「護りと裏切り」
テオリン「赤く微笑む春」
ランディ「ジェイコブを守るため」
ディヴァイン「跡形なく沈む」
クェンティン「人形パズル」
ウィンズロウ「キング・オブ・クール」
オールスン「特捜部Q -カルテ番号64-」
アフォード「百年祭の殺人」
クック「キャサリン・カーの終わりなき旅」
カッリージ「六人目の少女」
クリーヴス「青雷の光る秋」
マクロイ「小鬼の市」
ロリンズ「アイス・ハント」
ル・カレ「われらが背きし者」
カッレントフト「冬の生贄」
グルーバー「夏を殺す少女」
ウェイト「訣別のトリガー」

 ざっとあげてみました。一応、上の方が有力だろうという作品。ランディまでの5作は、おそらく入ると思ってます。ここから9作にどうやって絞るか。本格物は、「ケープコッドの悲劇」「悪魔と警視庁」が期待ほどではなく、「百年祭の殺人」が個人的には好きなのだけど、どうか。久々のランディは、法廷ミステリとしては好きではないけど、割と世評が高いので。

 「極夜」「死者の声なき声」「雪の女」あたりも入れるときりがないので、この段階で除外。トゥローとコナリーは厳しいでしょう。ニコラス・ブレイクの未訳作はド変化球で除外。「半島の密使」とか「骨の祭壇」とかが入ったら、お手上げです。本格系の短編集もひとつに絞れず、入れるならクリスピンとソープ・ヘイズルを落としてダゴベルトかなと思いますが、小品。


 ミステリ外から入る作品はあるのでしょうか。SF色が今作は強くて落としましたが、「宙の地図」を入れた方が良いのか。「HHhH」とか「クラウド・アトラス」「もうひとつの街」などは楽しめましたが、ミステリの範疇とは思えないので、パス。「終わりの感覚」は入ってほしいけどなあ。短編集で入るとしたら、「神は死んだ」でしょうか。「ミスター・ピーナッツ」と「ドッグ・ファイター」はこれから読んでみます。

 現時点での私の10冊は、「終わりの感覚」「コリーニ事件」「ポーカー・レッスン」「夜に生きる」「白雪姫には死んでもらう」「冬の生贄」「アイス・ハント」「われらが背きし者」「赤く微笑む春」まではすんなりと決まり、あと1枠はちょっと空けておきます。
 絶対ランクインしない作品でお勧めは、バークレイ「崩壊家族」とティリエ「GATACA」。いずれも抜群のリーダビリティで前作以上。