仕事で夜に本厚木まで来たついでに伊勢原まで足を伸ばし、何か未訪問の店舗がないかと歩いていたら、新店発見。「喜多家」さん。家系ですが、店頭の祝花などから、「千家」出身のようで訪問価値有り。変則的な2階建て店舗で、1階に4席と厨房、2階の方が座席数が多いですが、鋭角に曲がるカウンターなど居心地は悪く、また規模の割に設備投資と人件費がずいぶんかかってるなあ、という印象。2階でエレベーターを待ってるだけの暇な店員がいるのに、水がセルフはないでしょ。
【実食メニュー】やさしおラーメン(¥700)
悩んだのですが、券売機筆頭が「ラーメン」ではなくてこちらだったので。塩分控えめで身体に優しいのだとか。
【感想】 塩味、というわけではないよう。通常の家系スープに比して、醤油の香りは弱いように思えますが、しょっぱさはかえって強く感じます。豚骨濃度はそれなりで鶏油もたっぷりめなのですが、味の核になるものがないので特徴に欠け、ぼやっとした印象は否めません。
麺は大橋製麺製の中太。「普通」注文でコシも弾力も中途半端、風味も芳しくなくややチープに感じられ、「かため」が必須でしたかね。チャーシューは柔らかいながら、味は抜け気味。
【評価】 ☆☆☆☆☆☆☆(6.0)
らぁめん(厚木、秦野、伊勢原市)
本厚木の「虎一」がリニューアルとのこと。駅からかなり離れたシャッター商店街の一角。ラーメン店には不向きな立地だと思うのですが、お客さんはしっかり入っていますね。「麺や 楓」さん。店名とメニュー以外はほとんど変わっていない様子。店員さんも虎一のTシャツでした。
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【実食メニュー】 楓らーめん(¥750)
初訪は原則筆頭メニューという方針で。「えび塩」「きのこ肉味噌」も気になりましたが。
【感想】 新店では久しくお目にかかることのなかった、魚粉がガツンと来る魚介系全開の1杯。それでいて雑味やえぐみが全くなく、豚骨ベースのボディがしっかりしており、きちんと味のバランスがとれているところが実力店の証。
三種の魚介と椎茸ダシ、とのことでしたが、魚介が強いせいか、椎茸ダシの印象は希薄。「虎一」も味噌のインパクトが強烈でしたが、その精神は失われていないようで嬉しい。
麺は中太のストレートで、ざくざくっとしっかりした食感。風味も良いし、スープをがっちりと受け止めています。チャーシューは煮豚タイプで柔らかく、メンマも大ぶりで素材のよいもの。豆苗が意外でしたが、青臭さはなく違和感なし。
【総評】 ステップアップのためのリニューアルだと信じたい。塩と味噌も是非食べてみたいです。☆☆☆☆☆☆☆(7.0)
「らーめんDINING厚木」の跡地に、いつの間にかオープンしていたお店。興味もなく訪問せずにいるうちに、9ヶ月も経ってしまったようで。「虎一」のリニューアルとセットで訪問する店を探していて、ようやく機会が得られました。「麺処 明かり家 for you」さん。居抜きのようだけど、椅子が変わったかな。
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【実食メニュー】 ありがとうらあめん(¥650)+味玉(¥100)
店名や基本メニューのネーミングがこういう店、やや抵抗があります。
【感想】 豚骨をベースに野菜をたっぷり加え、隠し味に豆乳というスープは、想像の域を超えないもの。寸胴を見ていると湯葉ができており、隠し味が結構表に出てきている印象。クセが無く甘みのある、飲みやすくて記憶に残りにくい味。
麺は中細のストレート。とりたてて特徴の無い麺で、風味が今ひとつに思えます。チャーシューは可不可無し。味玉は味の入りが悪く、有料トッピングとしてはマイナス。メンマはスジが多い粗悪なもの。アオサは合わなくないですが、色合いだけで入れたと思われる赤い海藻は、熱を通すと嫌な臭みがあり全く合わず。
【総評】 こだわりのありそうな部分となさそうな部分の差が激しくて、まとまりに欠ける印象。
課題店1軒目は、「自家製麺 囲(かこい)」さん。民家を改造したのでしょうか、駅からちょっと離れたところで、人の良さそうなご主人がひとりでやっておられます。明るくゆったりしたお店で、ラーメンもつけ麺も650円という良心的な価格。もちろんつけ麺を。
つけダレは白湯スープと魚介スープのブレンドですが、いわゆる豚骨魚介系ではなく、濃いめながら角の立たないお醤油味と黒い焦がし油の香りで食べさせるタイプ。待ってる間から、この香りは記憶にあるなぁ、と考えていたのですが、「麺者服部」の「じゅーしーつけめん」を彷彿とさせます。
もっちもちの自家製平打ち麺が、このつけダレに実に良く合っています。みずみずしくてしっかりコシもあって、300グラムの麺もするするっといけてしまいます。
割スープが別容器で供され、ご主人の推奨は麺の方にかける食べ方。魚介風味がぐっと引き立ちます。この割スープそのものが抜群に旨くて、結局スープだけで完飲してしまいました。
チャーシューは切り落としという感じで、冷えていても十分に旨いもの。味玉(るーたん)も良心価格の50円。半熟具合が程良かったです。次回はあつもりにして、魚介スープ→つけダレの順に浸して食べてみたい。☆☆☆☆☆☆☆(7.0+)
石川町同様、古いバーのような店舗を居抜きで借りてるのでしょうか。開店1ヶ月のはずが年季入りまくり。メニゥ構成は本店と特に変わらないので、未食の限定「塩白湯」を味玉入りでいきます。麺を選ぶことを強要されたので太麺で。
驚くほど旨いです。レギュラーのいわゆる「神奈川淡麗系」の塩と2本柱になりうる水準、というか、オリジナリティーを加味すればこっちが上じゃなかろうか。
脂を極力抑えたということで、見た目にはさらっとした白湯スープですが、豚骨と鶏の旨みが非常にきれいに出て、ほんの少しとろみがあってなんともふくよかな味わい。そこにほんのり魚介の香りが、アクセントとしてうまく利いています。
日々少しずつ改良を重ねてたどり着いた絶妙な味のバランス、という印象を受けます。あっさり系の白湯でここまで引き込まれるスープは、最近ではちょっと記憶にないです。
少し熟成感のあるぷりぷり、もちもちの麺がまた非常に美味しく、スープとの相性も抜群にいい。これで「太麺と細麺どちらにするか」と訊くのはどうだろう。塩は細麺、白湯は太麺、でいいのでは。
ちょっと小さいですが、炙りチャーシューは本店譲りで香ばしく絶品。太めのメンマはほんのり甘めの味付けでジューシー。素材の良さを感じます。味玉もきれいな半熟加減で○。
足りないのは立地と活気だけじゃなかろうか。石神本に載ったりしてるので本店には最近足を向けていませんが、他のメニゥも食べてみたくなります。☆☆☆☆☆☆☆☆(8.0+)
今回は、2年近く前から計画は聞きつつも実現に至らなかった「オハナ」の2号店、しかもメニューを全く変えて濃厚豚骨で勝負とのことで、居ても立ってもいられず。開店5日目で訪問。
立地は本厚木駅東口の真横と絶好。挨拶が山彦スタイルになって接客面で完全に劣化してますが、まぁ別の店ですからね。「濃厚とんこつラーメン」を味玉入りのメニゥで。
豚骨ラーメンと言いつつも、「オハナ」らしい品の良さを残していて面白いですね。
白濁したスープは相応に脂も加えられているのですが、臭みは全くなくクリーミーで、豚骨の旨みと甘みがよく引き出されています。濃厚にしてマイルド、タレの味も程良く飲みやすいスープ。
麺は「オハナ」といえば当然の自家製麺。やや平打ち気味な中太縮れで、しっかりしたコシともちもち感、素材の甘みをまといスープとの相性は良好。固さを選べるようにする必要はないのでは(今回は「普通」で)。
チャーシューは薄めで2枚。あまり印象に残らない。メンマは太くて存在感があるもの。しっかりした味付けかつジューシーで、ここにも素材にこだわる「らしさ」が感じられます。味玉も半熟具合・味付けともに○。
ネギの上に最後に黒っぽいタレをかけていた気がしましたが、スープと融合してしまい味は未確認。ニンニクかと思ったのは、おそらく玉ネギのみじん切りでした。こちらも存在感は強くないかな。
「オハナ」が豚骨と聞いて非常に意外だったのですが、きっちり仕上げてきましたね。とにかく抜群の立地なので、この味を守れば大丈夫でしょう。☆☆☆☆☆☆★(6.5+)
「初代」は店主の父親が横浜でやっているらしいのですが、どこにもその店の情報がありません。厚木市内に「舎弟」もあるそうで。「六角家」戸塚店で店主をしていた方の独立で、六角家姉妹店という位置づけ。戸塚店は15年以上行ってないなぁ。
いつも通り「ラーメン(並)」を固めで。スープはしっかりと乳化しているタイプですね。
食べてみるとあまり「六角家」らしさは感じませんね。鶏油の量が普通だと少なめで、味としてガツンとはこないですね。タレの塩辛さは控えめで、好み。
油が少ないぶん、豚骨・鶏ガラの旨みがストレートに感じられます。臭みや化調感がなく、飲みやすい。「六角家」同様に、鶏ガラの割合がある程度高いのかな。旨い。ちゃんとレンゲも置いてあったし。
麺は若干平たい形状の、おなじみ酒井製麺。固めの茹で時間が他店より少し長い感じがしますが、もっちり感とコシと、いいところで調和が取れてます。
具では、チャーシューが脂身がほとんど無い割に固くないのがいいですね。家系のチャーシューとしてはいい方。ホウレン草も特に問題なかったです。
全体に欠点が見あたらず、よくまとまっていると思います。☆☆☆☆☆☆★(6.5)
「本丸亭」にも近く「麺や食堂」のはす向かいという、神奈川県を代表する2店に挑む最も無謀な場所。前回見たときは日曜昼で客無しでしたが、今回もやはり。白を基調とした明るいきれいな店内で、奥様の接客も大変感じがよいのだけど。「味玉中華そば」を。
開店当初から評判がよろしくなくて覚悟はしてましたが、秋葉原で感激したあの「賓むら」の味とは全く違います。
幻の名店「○る○」の味を再現する店だったはずなので、どちらかの味が「正しい」ということにはなるのでしょうが(「ふ○た」は敷居が高すぎて訪問予定はありません)、この味では……。
まず、丼が異常に小さくて、麺も具もきつきつに入っています。冗談でないのなら、スープの量を節約するためなのでしょうか。スープが少ないせいもあるのか、麺のかんすい臭というかアンモニア臭というかがかなりきつい。
1号店のスープは全体的に甘みがあって、魚介の香りがきれいに出ていた覚えがありますが、こちらは香りが独特。正確な素材の情報がないので印象になりますが、スルメと甲殻類のようなあまり記憶にない風味。苦手。
秋葉原と同じくコラーゲンをやたらに強調しており、表面の透明な油層はかなり厚め。ここだけ似てますかね。油自体の味はあまりなく、重たくはないです。麺は細縮れで、食感はそれなりなんですが、とにかく上述の臭いがアウト。
チャーシューはやわらかく、味玉の加減も良好。ホウレン草も程良い歯応えで、具は全体によく仕上がってます。☆☆☆☆★(4.5)
元町と川崎で食べたときは、少なくとも日本一の塩ラーメンだとは思えなかったのですが、「本丸亭の本丸」である本店で食べないことには分かりませんからね。覚悟して回転の悪い行列に並ぶこと40分、もちろん基本の「本丸塩らー麺」を。
ネットの一部コメントにもありましたが、これはやはり「薄い」んじゃなかろうか。並ばない元町や川崎の方がお店も圧倒的にきれいだし、スープの輪郭がはっきりしてるような。
もちろん丸鶏やアゴの香りは分かるのですが、それ以上の奥行きを感じないですし、存在感の強い麺を受け止めきれていない気がします。油も若干多いような。3日前に川崎店でさすがと思わされた1杯からすると違和感があります。
麺は佐野から直送される青竹打ち風の中太平打ち縮れ麺。絶妙の茹で加減で、もちもちした食感としっかりしたコシを楽しめる。麺は各店共通なのだろうか。こちらは本店が一番美味しく感じた。
具では、何と言っても春菊を入れるアイデアが秀逸。ワンタンも他店より具がしっかり入っていた。バラチャーシューは脂身がやや多い。
ちゃんと店主がいらしたので、これが本当の本丸亭の味なのかもしれない。隣の人がつくねが入ったメニゥを食べていて、これだったら、と思いました。☆☆☆☆☆☆(6.0)
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