京都にあるお店の東京初進出店とのことですが、京都での歴史も1年に満たないようで、最初からそういう展開を予定していたのでしょう。「麺匠 たか松 日本橋茅場町店」さん。無駄な店員の数からして、それなりの資本が入ってるのね。土曜日の茅場町とは思えない客入りの良さに驚き。
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【実食メニュー】 鶏魚介つけ麺(並盛200グラム、¥850)
券売機筆頭から。300グラムまで同料金ですが、連食につき。価格設定は強気ですな。
【感想】 粘度が高いというか、固形物が多い印象のある鶏白湯スープに魚介を利かせたつけダレは、鶏の旨み十分ながら後味はさらっとしていただきやすい。途中で加える生玉ねぎやすだち、スープ割りの時に楽しむアオサなど、味変アイテムのセンスも良いです。
麺は全粒粉使用の中太ストレート。田舎蕎麦のようなぼそっとした食感で香りもそれなりに良く、こちらも好み。ただ、両者の相性が致命的に悪い。両者のいいところが完全に殺されているとしか。それぞれ最も合わないタイプの麺とつけダレを合わせている気がします。
つけダレの中には刻んだ鶏チャーシュー。こちらはなかなか香ばしくGood。メンマも美味しいです。水菜は青臭くパス。
【総評】 タレ、麺とも単独では本当に好みなのだけど。☆☆☆☆☆☆★(6.5)
らぁめん(中央区)
昼間横浜で「トマトスタジオ」にフラれ、どうしてもラーメンを食べたい気分だったので、仕事帰りに都内、しかも前日オープンの新店に行ってみました。訪問日は10月19日です。自転車で下見はしてありましたので、場所はしっかり把握しております。「はしご」本店の並び、「朧月」さん。小料理屋のようなこぢんまりした店内、店主との距離も近いのに、誰もが黙々と食べていてBGMもなく、やや緊張。
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【実食メニュー】中華そば 小(¥680)+味玉(¥100)
永福町大勝軒っぽいスープに、麺が並で2玉という事前情報がありましたので。
【スープ】 事前情報から予想していたものとはだいぶ異なり、確かに煮干しのスープですが、どちらかといえば全体のバランス重視な印象で飲みやすいです。熱々ラードが表面を覆うようなこともなく、油の加減も程良い。シャキシャキした玉ねぎの食感がいいアクセントになっています。
【麺】 麺はカネジン製の太縮れ。もちもちっとした食感で美味しい。麺の存在感が強いので、もう少しニボニボしたスープだと、なお相性が良いように思えます。
【具】 チャーシューはチャーシュー麺かと思うほどにデフォルトでたっぷり。肉厚ジューシーでクセもなく旨いです。味玉はきっちり半熟で味付けもよくgood。あとはメンマ、なると、青菜と定番の具。
思っていたものとはだいぶ異なりましたが、きっちりとまとまった1杯で、美味しかったです。この太麺で2玉あると、相当なボリュームでしょうね。☆☆☆☆☆☆★(6.5)
オープン前の強気な謳い文句とか店名だとかの話題と批判が先行して、味に関してとりたてて好意的な評価もなかったため、後回しにしていた銀座の新店、「銀座ラーメン」さん。ずっと行きたかった「田多森@八丁堀」が長期休業になっていたため、流れてきました。東銀座A2出口からすぐ、「たれ蔵」「元楽」「ヤンヤン」の並びです。
オープン時刻を15分は過ぎているのに看板は「支度中」、のぞき込んでも店員から何の声もなく、「ヤンヤン」に入りかけたあと念のため今度は声をかけてみると、営業しているとのこと。予想通りな感じの店です。店内は清潔で居心地よし。販売機の筆頭はつけめんですが、「のり玉らーめん」で。
スープはいくらか濁りのあるもので、舌にとろみを感じるので、それなりの動物濃度があるよう。ジャンルとしては豚骨魚介に分類されるように思われますが、魚介風味はやや節系が強いでしょうか、総じて控えめで、またタレも薄めで、全体としてぼんやりとしている印象を受けます。
麺はカネジン製の中太麺で少しウェーブがかったもの。みっしりとして歯ごたえがあるものの、もちもち感は弱めで、あまりお目にかからないタイプ。麺の香りはなかなか。家系のようなスープだとしっくり来るように思いますので、やはりタレがもう少し利いている方がいいような気がしました。
チャーシューは薄めながらもそれなりに柔らかく仕上がっており、味玉の半熟具合、味の入りも良好。あとはメンマに小松菜、海苔。具は無難にまとまっています。
店を出たところ、まだ「支度中」でした。売上げに関心のあるような立場の方は、店には出ておられないようです。☆☆☆☆☆☆(6.0)
4月12日に馬喰町にオープンした新店。通し営業なのですが、場所柄か営業時間が午後8時まで+日祝休で、意外と訪問しづらかったり。「らーめん ゆたか」さん。馬喰町の駅を4番出口から出て、一本裏手。エトワール海渡に行くつもりで歩けば、確実に見つかります。
「麺の坊 砦」出身とのことですが、一風堂チックな内装ではなく、黒を基調としてテーブル席の多い、豚骨ラーメン店らしからぬすっきりした店内。他の客がいませんでしたので問題はありませんでしたが、喫煙可だそうです。これだけ清潔感ある店作りをしておいて、へぇ。スープは白、黒、赤とあり、最初(でおそらく最後)なので、「煮玉子らーめん」の白を。
驚くほどに油感のない、さらっとした口当たりの豚骨スープ。薄いという印象ではありませんが、豚骨の旨みと臭み消し素材の味でしょうか、一種独特な味わいで「砦」とも「一風堂」とも方向性が違います。
少しピリッとくるので、デフォルトでラー油が浮かべてあるよう。もう少しタレがしっかりと主張する方が万人受けする気がします。卓上にタレもあり味の調整はできますが。マー油入りの「黒」の方が無難だったかな。
麺は「砦」と同じものだという、平打ち気味の細ストレート。特に固さ指定はしませんでしたが茹で加減はやや固め、ボキボキした食感ではなく程良くしっとりして麺自体の風味も良く美味しいです。
チャーシューは2枚、柔らかくGood。あとはキクラゲに、出身店を思わせるモヤシ。味玉もまずまず。卓上の高菜がしっとりして食べやすく、スープに入れてもよく合います。
立地的に厳しそうな場所ですが、接客も大変よかったですし、喫煙者にはそれなりに居心地のよいお店ではないでしょうか。☆☆☆☆☆☆★(6.5)
ところが、高島屋の裏手を歩いていたら、場所を検索すらしたことのなかった「こんどう軒」を偶然発見。こちらこそ、大正5年創業、まもなく創業100年になろうかという東京を代表する老舗中の老舗。午後5時という時間でお客さんも1人だけのようですし、食べねばなりません。
この一等地でラーメンが未だワンコインという衝撃。ワンタンメンにしましたがそれでも600円。鶏ガラベースのクリアでシンプルなスープは、しっかりガラの旨みが出ており、表面には細かい脂が浮いて淡泊すぎず飲みやすいです。
醤油ダレもしっかりめ。火が通りすぎていないお醤油の香りがふわっと立ち上りコクもありますが、酸味や塩分はほどほど。化調を感じさせないのも○。
麺は中細の縮れ麺。予想していたより太め。やや堅めのゆで加減で噛みごたえがあり、加水率が少し低めでぽくっとした食感。スープ同様にクラシカルな印象で相性よく旨い。
チャーシューはレトロなお店にありがちな堅いだけのものではなく、コークスで焼かれるという本格派の焼豚で、真ん中がほんのりピンク色。脂身が少なめながら適度に柔らかく旨い。メンマは濃いめの色でちょっとしょっぱすぎるかも。ワンタンは皮が厚めのもので、餡の味付けは薄め。
厨房がどこにあるのか気になりましたが、地下だそうな。お店はまさに昭和のままですが、決して色あせることのない味。☆☆☆☆☆☆(6.0)
いつの間にか中央区に入っていて、このあたりは「日本橋本石町」というのですか。店に入ると店員さんが揃って大声で、山彦式の挨拶。何百店と行った中で、ここまでうるさいのは初めて。される側の迷惑も考えろと思う。接客とは、相手に快適さを感じさせる前に、まず不快感を与えないことだということに気付くべきではないか。「つけ麺」と味玉で。
ペースト状にした大量の「豚の耳(!)」と香ばしく炒めた玉ねぎが特徴というつけダレは、相応にとろみがありながら決して重たすぎず、魚介(魚粉)もしっかりと利いています。全体に甘みがあっていただきやすく、話題の「えん寺」さんなどと同様、最近好まれているタイプの味という気がします。
生玉ねぎ、魚粉、揚げネギ、オリジナルの「じゅうしち味」と、カスタマイズ用に各種用意されていますが、基本味で十分完成されているように思います。私は玉ねぎだけ大量に投入しましたが、よく合いますね。
麺は太麺で300グラム。力強いタレをしっかり受け止める存在感。香り、弾力、密度、コシと申し分なく、さすがにカネジンは間違いないな、と思わせます。「まずはそのまま麺を召し上がってください」とは、出身の「けいすけ」イズムでしょうか。
チャーシューが豚ほぐしなのは好ポイント。麺と絡みやすくいただきやすいですね。太めのメンマも素材がしっかりしているようで美味しい。味玉もきれいに仕上がっています。
「けいすけ」出身ということで、もう少し個性的なものを期待していたところはありますが、近ければ間違いなくリピートしてしまう味ですね。☆☆☆☆☆☆☆(7.0)
喫煙者の巣窟だろうと思って行く機会を作れずにいましたが、平日午後3時を回っていればさすがに先客無し。ラーメン+半チャーハン+シューマイ2個でわずか700円とは、銀座でなくとも格安。趣味だけでなく食事も兼ねてましたので、迷わずこのセットを。
最初にショウガの香りがふわっと来る、豚骨+鶏ガラベースのまさにクラシカルな東京のラーメン。豚足を使っているのが特徴だそうですが、クセもなくいただきやすいです。油はかなり控えめ。
タレの味がいくぶんか薄いように最初は思われたのですが、チャーハンをいただいてからスープを口にしてみると、塩分もほどよくお醤油の香りもきれいに感じられるような。半チャンラーメンのマジックですね。
麺は滑らかな中細ストレート。こちらもクラシカルな印象で歯ざわりも柔らかめですが、おとなしめのスープにはしっくりときます。伸びは早そうなので、セットといっても必然的に麺が先になりますね。
チャーシューはみっしりとした濃いめの味付けのもの。メンマも特に臭み無し。チャーハンは昔近所の中華屋で食べたような、庶民の、されどお店の味。チャーハンが比較的油っこいので、スープとトータルでバランスがとれている感じ。シューマイはそれ自体個人的に好きではないのですが、手作り蒸したてで○。
ラーメンだけだとやや物足りないかも。☆☆☆☆☆☆(6.0?)
「okajin」は今回も時間的に断念で、こちらに。
粘度が低くて豚骨全開のスープも、細ストレート麺にざくざく感がなく、好みとはだいぶ離れたもの。
☆☆☆☆☆☆★(6.5)
4月1日開店の新店。最近、新店の訪問時期が異常に早くなってる気がします。
仕事の合間に寄ってしまいました。
まさか歌舞伎座の建物にラーメン店が入るとはね。
「本丸亭」の新業態とのことで楽しみにしていたのですが、ラーメンの味以外はやっつけとしか思えない。
まず、天下の本丸亭がカフェスタイルの店を出して、全席禁煙じゃないってのは呆れた。
喫煙者どもが隔離されてない店の禁煙席に、いったい何の意味があるのか。
どこまでセルフサービスなのかいまいちはっきりせず、250円というやたらに安いコーヒーは案の定何の苦みもコクもない酸っぱいだけの液体で、およそ金を払う気にはなれない。
ドリンクメニゥの種類も中途半端で、全体に安っぽい店だとの印象が拭えない。ノリタケの食器とのアンバランス感が何とも言えず。開店3日目にもなって、本物のお客を相手にしながらバイトの子のマニュアル指導をしてる時点で、その程度の店かなとは思ったけど。
一応、☆☆☆☆☆☆☆(7.0)。味だけはさすがだと思う。
メニゥがやたらにあるので気付きませんでしたが、札幌ラーメンのお店だそうですね。何故か京都に支店があるんだとか。炒め物系のメニゥもたくさんあって、裁判所昼休みにジャージャー麺+炒飯のランチを食いに来たこともありますが、「特製中華そば」の感想を。
本当に札幌を感じさせるところはなくて、豚骨・鶏ガラをじっくり煮込んだ濁ったスープは、系統としては家系に近いような印象を持ちました。
さほどはっきりとは主張しない魚介系スープと合わせてくるので、家系なんかと比べると全体にかなりライトでくどくない。お醤油ダレも丸みがあります。
中太の縮れ麺は、これも家系に比べれば細くてプリプリした食感で悪くないです。チャーシューもやらかくて、ポイントポイントは押さえている手堅さがありますが、ワカメはまったく不要。
ちなみに、厨房は結構本格中華っぽい雰囲気で、炒飯もなかなか旨いですね。ランチのセットメニゥがお得だと思います。ジャージャー麺は特別変わったものではありません。
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